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シナリオコレクション

息吹肇シナリオコレクション

※(男・女)の数字は役者の人数です。執筆順。

プロメテウスの炎~その昔、人間は考える葦であった~ (男2・女5)
人間の堕落の原因である教育の実態を調査するために、天上より人間界に送り込まれた蠍座の化身・アンタレス。女子高生に姿を変えた彼女は、同じクラスの元生徒会長・小泉登が、管理を強める教頭達に対抗して学校を変えようと立ち上がったものの、周りから孤立して挫折感を抱きリタイアしようとしていることを知り、彼を助ける。だが、その行為が「人間に味方しない」という神との約束違反とされてしまい…。
(1986)
果てしない物語(ネヴァーエンディング・ストーリー)(男1・女5)
天上から持ち出されて5つの玉に姿を変えて世界に散ったヘルメスの竪琴を探すために、「あの世」から人間界にやってきたスケバン刑事・麻宮サキ。クラスメート・晃司の妹・智子の「自分がなくした分身」探しに協力して、3人で天空の魔女の城に魔女に化けて潜入する。そこで3人は、魔女達がヘルメスの竪琴の玉の一部を持っていること、そして智子の分身の意外な正体を知る。
(1987)
七夕伝説~天の川を渡れなかった者達の物語~(男3・女4)
天の川に引き裂かれ、永遠に自分の失った半分である相手を待ち続ける運命になった織り姫と牽牛。その魂が人間に転生した2人の高校生3年生・めぐみと秀夫も、お互いの思いをうち明けられないまま進路を巡って引き裂かれようとしていた。これを知った時空戦士スピルバンは、運命の流れを反転させようとする星座達の企みに呼応しながら2人の運命を変えようとするが…。
(1987)
思い出は鏡の中に~三角関係「白鳥の湖」~(男1・女3)
クラシックバレエを習っている高校1年生の絵里花は、中学3年生の卒業式の日に別れた同級生のサッカー部員・毅のことが忘れられない。実はクラスメートで親友のひとみに奪われる形で2人の関係は終わっていたのだ。その絵里花のところに時をかける少女=中学時代の絵里花がやってきて、このことに決着を付けるために絵里花の心の中=「白鳥の湖」の物語の世界へ絵里花を連れていく。そこに毅とひとみもやってきて、3人は「白鳥の湖」の世界で向かい合う。
(1988)
楽園からの脱出(男3・女3/男3・女4/男4・女4)
宇宙飛行士になることが夢の高校3年生・冬児は、夢を持つ者達が隔離される楽園・ネヴァーランドに連れてこられる。デビルマン率いるデーモン族の支配に抵抗するピーターパン、ウエンディ、ティンカー・ベルと出会った冬児は、その地に子供の夢の力を与えている幻の“青い鳥”探しに同行することになる。しかし、あくまでもネヴァーランドに留まって子供の夢を見続けようとするピーター達に疑問を感じた冬児は、同じ思いのウエンディーを連れてネヴァーランドから脱出しようとする。
(1988)
明るい反抗~高校生達の後の祭り~(男3・女7)
時は近未来。ある県立高校で、文化祭の中止と、その代わりの大学受験模試実施が教師達の主導で決定された。これに反発する幸乃達3年H組の生徒は、教室に立て籠もって文化祭で上演する劇の準備を始める。「ジャンヌ・ダルク虹の彼方に」と題されたオリジナル脚本に自分達の気持ちをぶつけようとする彼女たちに対して、その心情を理解する担任の松田は、校長との板挟みになって苦しむ。稽古も終盤を迎えた本番前日、校長は法律に基づき生徒達の処分=治安維持部隊の出動を要請する。
(1988)
MEGAMI・真冬の夜の夢~クリスマスソングを唄うように~
クリスマスの一夜、雅美達女子高校生3人がささやかなクリスマスパーティーを開く。進路決定を控え、自然と話題は将来のことに。そこに時空を旅するウサギ男が現れ、聖夜にだけ出現するという時空の捻れへと3人を誘う。そこで3人は、本当になりたいと思っている自分の姿や進むべき道を、様々な形で発見していく。そんな中、愛する人が不治の病に倒れていると知った雅美は、彼に自分の命の炎を与える決意を固める。
(1988)
風の又三郎~教育は死なず~
3年生の引退公演を控えた、とある学校の演劇部。3年のあるクラスに転入してきた高田三郎が、その存在感と不思議な魅力で級友達を動かし、文理別クラス編成の導入など、生徒の声を聞かず強引に学校を変えようとする校長ら先生方に異議を申し立てる、という内容の創作劇を上演することが決まった。ところが、この芝居の設定がその学校で現実にに起こっていることとそっくり同じだったため、学校側は公演の中止を命じる。2年生の部長を中心に、意見の対立を抱えながらも何とか上演にこぎ着けようと、部員達は必死に稽古を続けるが…。
(1989)
ガラスの靴を脱ぎ捨てて
憧れのアイドル歌手を追って虚構の世界へ入り込み、「シンデレラ」の世界に閉じこめられた大学生。彼を現実世界へ連れ戻そうとする友人達は、虚構の世界を支配する帝国の野望に巻き込まれながらも、何とか自分達の力で覚醒しようとする。
(1989)
大改訂・楽園からの脱出
進路に悩む高校生3人が、遊園地の見慣れぬアトラクションから異次元空間に引き込まれた。そこはピーターパンがいるネヴァーランドの世界。彼等はピーターやウエンディとともに冒険しながら、彼等に偽りの夢を見せることで彼等の魂を楽園に幽閉しようとするデビルマン・サタン達の計略と戦い、自らの力で脱出を試みる。
(1989)
家族素描〔家族四景~第一景〕(男5・女2)
中学2年生・邦夫の家に、担任教師が家庭訪問に訪れた。その夕方の一家の風景。邦夫を巡る偽善的な大人達のやりとりに絶望した邦夫は、居場所のない家を捨て、気球に乗って帰らぬ旅に出る。
(1989)
五番目の季節~冬来たりなば…~
教師、芸術家等、夢破れ、人生に挫折した人々が、春まだ早いとある公園で出会う。心を通わせ会ううちに、彼等はこれまでの自分を乗り越え、新しいステージ=五番目の季節の扉を開ける。
(1990)
桜の木の下で
一本の桜の木を巡って、その下に集う人達の成長と変化を、オムニバス形式で描く。
(1990)
卒業~おだやかな時代~(男2・女5)
卒業式間近のある高校。3年生の元生徒会長・真理子は同級生でもと副会長の直人や現役の生徒会役員達とともに、お仕着せではない自主卒業式を決行しようと準備を進めている。その中で真理子は、自分の小学校の卒業式を巡るエピソード~6年生の旗としてみんなで作り上げた「ゲルニカ」の旗が、校長の指導によって会場の正面に飾られず、6年生の反対を押し切って日の丸が代わりに飾られた事件~を芝居にして上演することを決め、稽古にはいる。しかし、自主卒業式に対する一般生徒の支持は集まらず、真理子達の動きに対しては学校側からの圧力がかかる。
(1990)
明るい反抗2~いつものように幕が開き…~(男4・女3)
時は近未来。ケン達部員4人の県立大和川東高校演劇部は演劇発表地区大会で優勝し、初の県大会進出を果たした。国定演劇戯曲選以外の一切の作品の上演が禁じられている状況の下、2年生の部長・ケンは「ドン・キホーテ」を元にした創作戯曲で自分達の主張をぶつけようと言う。副部長のアヤは一抹の疑問を感じながらも同意。ドン・キホーテとハムレットが登場する奇妙な反抗劇の稽古を開始する。 一方、演劇部顧問の利根川は、本来違法である彼等の動きに共感するが、ある目的のために、苦悩しながらも生徒達のこの動きを国に逐一報告していた。そして、県大会当日を迎える…。
(1990)
楽園からの脱出~七色仮面団ヴァージョン~(男3・女2)
人類初の太陽系外へ向かうスペースシャトルに乗り組んだ27歳の宇宙飛行士・冬児は、夢の楽園・ネヴァーランドの世界に引き込まれる。そこでピーターパンとウエンディに会った冬児は、ネヴァーランドをデビルマン率いるデーモン族の手から取り戻すために、青い鳥を探す彼等の冒険に同行することになる。しかし、ひょんなことから3人は離れ離れになり、ウエンディはデビルマン達の手に落る。彼女を助けようと冒険を続ける冬児は、徐々に自分の記憶の糸を手繰ることになる。そして冬児は、彼が7歳の時に死んだ姉に辿り着くが、姉は冬児を追憶の糸で滅び行く楽園の世界に縛り付けようとするのだった。
(1990)
明るい反抗~歴史は繰り返す~(男4・女6)
時は近未来。県立大和川高校では文化祭を中止して大学受験模試を行うことになった。これに反発する評議委員のユキノ・コウジを中心とする3年H組の生徒は7人は、教室に立て籠もってクラス劇の稽古を続ける。しかし、ジャンヌ・ダルクの一生を描く創作脚本の結末を巡り、ユキノとコウジとの間でこの芝居を上演することの意味の捉え方に違いがあることが浮き彫りとなる。一方、H組の担任・松田は生徒達に理解を示し、校長・奥野に対して最大限の抵抗を試みるが、担任をはずされる。そして、ユキノ達は退学となり、最終的な処分は治安維持部隊に委ねられることがで決定される。
(1991)
待てど暮らせど・SHOW TIME(女3)
理想の男の到来を待ち焦がれるバレンタインデーの女子高生3人と、白馬の王子様をバス停でひたすら待つ童話の主人公達の光景を描く、短編オムニバス。
(1992)
地上に降りた最後の天使(男1・女3)
部員が4人になり、廃部の危機を迎えたある高校の演劇部。唯一の3年・かすみの創作脚本で背水の陣の校内公演を行おうとする。が、規定人数に達しない部の活動を認めない学校は、校舎の改築を理由に部室の使用を禁止する。2年生2人と1年生の部員は稽古を進め、何としても公演を決行ようと言うが、かすみはそれに同意しない。そして、神が不在の天上界の滅亡に直面した天使達を描いたかすみの脚本の世界に、2年生の部長・あかりとかすみとの出生の秘密が隠されてることに、あかりは気付く。
家族四景~第二景(男3・女6または男2・女7)
旅行先の海外で誘拐され、身代金要求がされている女子大生・翔子の家。犯人との交渉の期限切れを迎えた当日、一家の元にテレビ局の取材が入る。悲嘆にくれる家族を演じる父・母・妹だったが、実は誰も翔子が帰ってくることを望んではいない。そこへ密かに戻ってきた翔子は、彼女を姉と慕う近所の小学生・コウタとともにこの茶番劇を見守る。そして翔子は、居場所のない地上を捨てて空へ帰る決意を固めてコウタに別れを告げ、町の鉄塔から身を躍らせる。
(1992)
私の国のアリス~Alice in my Wonderland~(男8・女4)
OLの亜里沙は、自分の日記に必ず返事をくれるアリスという少女に会うために、悪魔・メフィストと約束~「時間よ、止まれ」と言ったら、魂を渡す~を交わし、その力を借りて鏡の中の世界に向かう。そこで亜里沙は、様々な姿に変わりながら自分を再発見していく。同じ頃、亜里沙の元恋人・哉太もメフィストの誘いを受け、亜里沙と同じ約束を交わして、伝えられなかった亜里沙への思いを胸に鏡の国へと向かう。詩人に姿を変えた哉太がある王国で出会った姫君は、自分が亜里沙の言葉の精=言霊であることを仄めかすが、実は彼女こそがアリスだった。彼女の導きで再会した亜里沙と哉太は、嬉しさのあまり「時間よ、止まれ」と口にしてしまう。
(1994)
Version up 楽園からの脱出(男6・女4)
スペースシャトルに乗り組んだ宇宙飛行士・冬児は、打ち上げ後間もなく夢の楽園・ネヴァーランドの世界に不時着する。そこでピーターパンやウエンディ達と出会った冬児は、サタン・デビルマンに支配されたネヴァーランドを解放するために、青い鳥を探す彼等の冒険に同行することになる。一方、青い鳥を追って、大天使ミカエルの命を受けたチルチル・ミチルもネヴァーランドにやって来る。青い鳥を巡る三つ巴の争いの中、仲間達と分かれてウエンディと2人になった冬児は、彼女の本当の夢が現実世界に帰ることだと知り、楽園からの脱出を決意する。その頃、ピーターパンや妖精のティンカーベルの身の上にも災厄が降りかり、楽園は滅亡しようとしていた。
七夕伝説(男4・女6または男5・女5)
天文ファンで大学4年生の香織は就職が決まらず、一足先に社会人になった恋人・剛ともなかなか会えない。そこで香織は、高校時代の同級生でまだ大学3年の和彦を誘い、和彦の片思いの相手であるサークルの後輩・綾音も巻き込み、ペルセウス座流星群の観測にことよせてダブルデートを計画する。一方、天帝ゼウスが支配する天上界では、ゼウスの私生児である織り姫ベーガが、自分と夫の牽牛アルタイルとがゼウスの裁定により天の川の両岸に引き裂かれたことに不満を持ち、川を超えようと決意する。ゼウスから天上の主導権を奪おうとする女神アフロディーテの策略でベーガに会った勇者ペルセウスは、彼女の身の上に同情し渡河に力をかすことになる。ベーガの動きをゼウスの伝令・デネブから聞いたアルタイルも、ベーガに会うためにデネブとともに天の川へ向かう。天上と地上のそれぞれの4人は、運命の行方を見極めようと、「星占い」「人占い」の対象であるお互いの動きを望遠鏡で覗き合う。
(1998)
Sweet Dreams~ただ一度の真白き日常のために~(女2)
テレビの製作会社に勤務するミサキが彼氏の浮気相手の部屋に踏み込むと、そこには高校時代の同級生・サラがいた。彼の婚約者であり、彼の子供を身籠もっているというサラを相手に恋の鞘当てを演じたミサキだったが、結局彼がどちらも選ばないと知り、二人の間には奇妙な連帯感が生まれる。と、ここまでが戦争に巻き込まれた近未来のある国の劇場で、幕開きを待つ大部屋女優2人によって演じられたエチュードだった。しかしこの2人、女優とは仮の姿で…
Stairway to Heaven~あの世へ帰りたい~(男3・女5)
インターネット上の自殺志願者のフォーラム「電脳樹海倶楽部」の常連4人が、管理人・‘屍羅逝’の呼びかけに応じて樹海に集まった。飛び入りで参加した‘とも’も含め、5人が2人と3人のグループに分かれて、パートナーとともに自殺を決行しようというのだ。‘屍羅逝’から毒入りのカプセルを渡されて原生林の奥へと入った5人だったが、詩や絵をかき「星の王子様」の世界を愛する‘SKY’に神経症に悩む‘トゲピー’は徐々に心を開き、何をやってもうまくいかない‘ユッコ’と何か取り返しのつかないことをやってしまったらしい‘林檎’は、必死に励まし合う。そんな中、‘とも’は他の人達から自分が見えなくなっているらしいことに気付く。
(2000)
レコンキンスタ
失われたものを必死で取り戻そうとする人々を描く、3話オムニバス。
第1景「地球先住民族」
人類より先に地球に存在していた地球先住民族の末裔が、地球人から自分達の土地を取り戻そうと仲間を集めている。その過程で捕まえられた役者の卵の男は、先住民族達のおかしなコミュニケーションの手段を体験させられながら、この動きに巻き込まれる。
第2景「癒されない人」
あるOLは「癒し系ロボット」を購入し、自分の部屋でルームメイトのように暮らす。ある時、あまりにも辛かったので愚痴を連発していると、ロボットの「究極の癒し」プログラムが作動して、彼女はロボットに絞殺されてしまう。
第3景「母性回復プログラム」
幼児虐待や娘とのコミュニケーション不全で母性を失ったと診断された母親2人が、行政主催の「母性回復プログラム」に参加する。ここではロールプレイングでお互いが母親と娘を演じることで、娘の気持ちを理解し、母性を取り戻すという治療方法がとられている。が、2人は徐々に自分の中の「母」と「娘」の人格が分裂し始め、やがて制御不能の状態に陥っていく。
(2003)
Stand Alone~真っ直ぐな線を引いてごらん~
 20XX年の日本では、携帯型爆弾による市民の自爆事件が後を絶たず、また強者と弱者の格差の拡大から、テロリストや武装グループの活動が活発化するなど、社会は不穏な空気に包まれていた。

そんな中、 「バラ色の未来」を名乗る武装グループが、理想の社会の建設を掲げて都内で路線バスを襲撃。乗客を人質として拉致し、政府に対して要求を突きつける。そして、期限内に回答しなければ人質を殺害すると通告する。

テーマパーク跡地の施設内に監禁された人質達は、互いに疑心暗鬼を抱き、なかなか結束できない。そんな状態を何とかしようと、看護士の藍と教師の正義は人質達同士の交流を図ろうとする。しかし、それぞれに影を背負った人質同士は素直に打ち解けることはできない。

夫と子供を誤って殺した米軍に対する復讐に燃える「バラ色の未来」の副長・紅は、部下からの報告を受けて、人質の中に双子の姉がいるのではないかと訝る。そんな中、政府は「バラ色の未来」の要求を拒否する声明を発表する。隊長の聖人は人質の処刑を命じるが、紅は拒否して対立する。また、政府の方針を知って絶望に駆られた人質のうちの一人の男が、人質の女を襲おうとするが、女は持っていた携帯型爆弾で男を巻き添えにして自爆する。

人質の処刑と小型の核爆弾の使用を巡って「バラ色の未来」の中では意見が対立し、聖人は隊長の権限でこれらを行うと宣言。障碍となる紅の身柄を拘束しようと密かに画策するが、隊員の弥生の報告で事前にこれを察知した紅は、弥生達とともに逆に聖人を拘束し、自分が隊の指揮を執ることを宣言する。

一方、残った人質達は、パソコンを使って「バラ色の未来」に政府を装ったメールを送り、その隙に携帯型爆弾を使って地下に通じるエレベーターの扉を破壊。何とか地下道へと脱出する。それに気付いた「バラ色の未来」の隊員達も後を追って地下道に入るが、そこに自衛軍の特殊部隊が突入する。
(2005)
Noisy Gallery~絵は口ほどに~
個展を開くと友人に宣言しながら結局開けなかったOL・有紀。そうとは知らず、個展の予定日当日に画廊に押しかけた有紀の友人で編集者の夏美は、有紀を喜ばせようと、たまたま画廊にいた一人の女・泉を有紀の絵のファンに仕立て上げ、有紀に画廊に飾られた一枚の絵の内容を説明しろと迫る。困った有紀は、二人の前で、口から出任せで一つの物語をでっち上げるが、実は泉はその絵を描いた張本人だった。
(2005)
MIRAGE HOTEL
普通のサラリーマンの涼は、妻・蒼子との関係がうまくいかず、別居状態のまま1年が過ぎたある日の朝、通勤途中で聞こえてきた女の声に導かれ、知らない町の知らない駅で降りてしまう。辿り着いた不思議なホテルで、涼は唯一の予約の客として扱われる。そこで出会ったのは茜という女。涼には見覚えはないが、茜は涼を自分の愛する人だという。鍵を渡された涼は、ホテルの支配人から、部屋の鍵は涼のもの以外にもう一本あって、それで一対であること、そして茜と二人でその部屋に宿泊しなければこのホテルからは出られないと告げられる。

ドアが現れては消えるおかしな空間のホテルを彷徨い、不可思議な宿泊客と出会いながら、涼と茜は螺旋階段を上って、目的の部屋を探す。その過程で、涼は改めて蒼子の存在の大きさに気付く。しかし涼は、親しげに振る舞う茜のことをどうしても思い出すことができない。

一方、涼と蒼子の学生時代からの友人である賢治は、涼からのSOSのメールを受け取った。賢治は、蒼子とともにホテルに向かう。二人は支配人から、涼の持っている鍵の片方を見付けなければホテルから出られないと告げられる。

涼達と同じようにホテルの中を彷徨いながら、蒼子もまた、自分の中の涼の存在と涼への思いを確認していく。

そしてついに、蒼子は涼が予約したという部屋を見付ける。しかし、彼女が神の運命に定められた涼の相手ではないと告げられ、それに反発した蒼子は、その部屋に幽閉されてしまう。遅れて部屋の前までやってきた涼は、蒼子を助けようとするが…
(2006)
Unforgettable
OLの千波は子供の頃、通り魔に両親と妹を殺され、今は里親の息子の吾郎と同棲している。そんな千波の携帯に、「あなたの記憶買います」と書かれたメールが着信する。不審に思いながらも、千波はそのメールの差出人と会う。

メールの主は渚と名乗る女子大生。彼女は人の記憶を入れ替えたり消去したりする能力を持っているという。半信半疑の千波の記憶を、渚は一時的に入れ替えてみせる。

一方、編集者の遥香も同じ内容のメールを受け取る。遥香と同棲する売れないフリーライターの大樹は、そのメールをネタに文章を書いて一山当てようと、遥香に記憶の操作の実験台になるよう唆す。それを実際に体験した遥香は怯えるが、大樹は再び遥香に渚と会い、やり取りの一部始終を隠し録りしろと言う。

再び渚のもとを訪れた千波は、家族が殺された事件の記憶のうち、千波に欠落している部分、すなわち犯人の顔の記憶を求める。それは千波が家族の無念を晴らしたいという強い思いをずっと抱いてきたためだった。しかし、渚が「再生」させた「記憶」の中で、千波の家族を殺していたのは吾郎だった。激しい葛藤の末、千波は吾郎を自らの手で殺してしまう。しかし、これはかつて吾郎に強姦された「記憶」を持つ渚によって仕組まれた「復讐」だった。

遥香は渚から自分と大樹が結婚したという「記憶」を買い、大樹の妻として振る舞おうとする。大樹は遥香が録音した会話を元に、渚の身辺を本格的に調べる。そして、渚を探す姉の瑞希と会い、取材結果を基に瑞希を強請る。その後大樹は、渚を訪れて情報を買うように迫るが、逆に全ての記憶を消されてしまう。

そして、逃避行の途中で仲のよい吾郎の従兄弟の克己のもとを訪れた千波は、周囲がひた隠しにしてきた事件の‘真相’を告げられるのだった…。
(2006)
ヘキセン・ライブ・ハウス~密かに見守るは真昼の月~
メジャーデビュー直前に突然姿を消した伝説のインディーズバンド・myrai(ミライ)の「復活ライブ」の案内状を受け取り、ライブハウスを訪ねてきた人達。

myraiの初期に関わり、その後フリーターをしながらインディーズバンドを渡り歩いているギタリストの竜也。その竜也とライブで知り合い、同棲するもうまくいかず、たまたまmyraiのライブに来ていた友人でお笑い芸人志願の菜緒の恋人・ベンチャー起業家の啓介と関係を持ち、子供をつくってしまった後に彼と破局した派遣社員のさなえ。その菜緒とコンビを組んでお笑い芸人を目指していたものの、菜緒と方向性が合わず、お笑い番組の最終オーディションで落ちてしまったことをきっかけに菜緒と喧嘩別れした真美。その真美は、たまたま行ったライブで竜也に一目惚れ。意気投合して、今では同棲しながら新たな笑いを開発しようとしている。会場には、コンビ解消後にパニック障害になって人混みに行かれなくなってしまった菜緒と、会社が倒産して途方に暮れている啓介も来ていた。互いに顔を合わせたくない微妙な関係だ。

そしてもう一人、和音という女が来ていた。

実際の演奏は始まらなかったが、彼等は自分達と関わりのあるmyraiの音楽を思い出しながら、自分の内面やお互いの関係、過去と向き合う。そして、少しずつ前向きな気持ちになっていくのだった。

実はこの架空の「復活ライブ」の案内状を送ったのは、myraiのボーカルで姿を消してしまったルナの音楽仲間だったピアノ弾き語りの和音。ルナが突然病死し、ショックで歌えなくなっていた彼女が、ルナから託されたmyrai最後の幻の曲『ヘキセンハウス』を演奏しようとしたからだった。しかし、結局それはできず、聴衆に謝罪して会場を去ろうとする彼女に、真美が、「自分は楽器はできないけれど、一からギターを習うので、一緒に音楽をやりませんか」と声をかけてくる。また、帰り際にさなえが、「私、昔ベースやってたんですよ。よかったら声かけて下さい。」と言い残す。和音は、音楽に再チャレンジしようと改めて決意するのだった。

客が帰り、誰もいなくなったライブハウスに、myraiの力強い演奏が響き渡る。
(2007)
Mirage Hotel ver.2007
大企業・藤堂グループ副社長夫人の友香は、義姉である沙恵と旅行中に、天候の急変で交通機関が止まり、急遽宿を探す羽目になった。彷徨っているうちに、古びたホテルの前に辿り着く。

薄気味悪がりながらもそこに泊まることにした彼女達だったが、その夜、沙恵が入浴中に謎の溺死。逃げるようにそこを去ろうとした友香は、そのホテルの従業員に襲われ、命を奪われる。

ところが、死んだと思った彼女は宿を探していた場所で意識を取り戻す。そして再び沙恵とともにそのホテルに泊まり、同じことが繰り返される。

3回目の円環の時、友香は一人の男に救われ、彼の部屋に逃げ込む。男は藤堂龍之介と名乗り、自分もホテルに閉じ込められていると話す。そして、かれが出会ったホテルの支配人は、このホテルの宿泊者は全てある作家の小説の登場人物であり、作家の存在を消さない限りこの円環から抜け出せないのだという。

2人は部屋を出て、立ちはだかる従業員達の攻撃をかわしながら、力を合わせて何とか円環を抜け出そうとする。

実はこの男は、友香の夫である虎之助の双子の兄だった。しかし、友香からその記憶は抜き取られていた。そして、彼こそが作者の分身だった。

いつか龍之介に好意を持った友香だったが、その男を殺し、バラバラにしなければ円環は終わらないと告げられ、愕然とする。龍之介は、友香のために命を差し出し、自害した刃物を友香に握らせる。彼女は、泣きながら男の死体を切断する。

友香が円環から脱出して現実に戻り、判明したのは、それが龍之介自身によって仕組まれた、虎之助を殺すための計画だったということだった。父親の莫大な遺産を独り占めにしようと企んだ龍之介は、弟を殺して友香を自分の物にしようと小説を書いていた。彼の各小説は、必ず現実になると岩、話題になっていた。また龍之介は、友香がかつて虎之助に出会う前に会社の金を横領していた事実を掴み、強請っていたのだ。

しかし、虎之助はそれを逆手にとって、登場人物名を書き換えることで、小説の中で兄を殺したのだった。

全てがうまくいったように思えたその時、小説の中から亡霊のように蘇った沙恵が友香に襲いかかる。必死で抵抗しているうちに、友香は沙恵とすり替わった夫を殺してしまう。

そして、沙恵によって友香は事実の全て、すなわち、龍之介と沙恵を殺害したのは自分だったと言うことを思い出させられる。

最後に、友香に残された財産だといわれた旅行鞄を開けてみると、中から友香が切断した龍之介のバラバラ死体が出てくる。血だらけの手のまま、友香は放心状態となる。
(2007)
くびわ~鎖をたどって現実(うつつ)を刻む~
※準備中
Machine ~愛玩人形のうた。~
ロボット研究の第一人者の一人である鮎川博士は、人間の女性の形をしたロボット「i」を完成させた。iは所有者を「ご主人様」と認識し、所有者を攻撃しようとするものを撃退する護身用ロボットとして開発されたが、同時に、所有者の命令には絶対服従するという特徴を持っていた。 また、iは高度な人工知能を持っており、人間の「感情」に近いものを作り出すことができる。鮎川は、以前結婚を約束しながら事故死してしまった女性がシンガーだったことから、iの「感情」を「音楽」として内蔵メモリーに記録するように設定していた。
鮎川は「理想の女性」としていつしかiを愛するようになった。
Iはこの「絶対服従」のことを「愛」だと認識するようになる
。 しかし、鮎川を密かに慕う女性研究員の江本は、「別の人間でもデータを取るべきだ」と強く勧め、結局鮎川はiの設定を、音楽メモリーを除いていったん全て消去した上で、別の男・上杉を使用者として登録して渡す。
しかしこの過程で、実はiに未練がある鮎川は、自分の「愛」の記憶を密かにiのメモリーに残しておいたのだ。
上杉は何でも命令に従うiを気に入り、好んで側に置くが、上杉の恋人・八神にはそれが面白くない。何とかiを上杉から引き離そうとするが、iはそれを「ご主人様」に対する攻撃と見なして度々威嚇する。そして、2人の関係には徐々に亀裂が入り始める。 一方、鮎川はiが忘れられず、江本が止めるのも聞かずに、上杉の下へ行き、iを力尽くで取り戻そうとして上杉と格闘になり、ついに上杉を絞殺してしまう。 iは「ご主人様」に対する攻撃と見なし、鮎川を攻撃しようとするが、自分の中に残された博士の記憶との間で葛藤する。しかし、その葛藤の中、iは博士を攻撃してしまう。そのiを江本が特殊銃で撃ち抜く。
壊れるi。

ここまでは全て、上杉を失った八神が、江本と彼女が所属する研究所を訴えた裁判で、検察側の証拠として提出されたiの内蔵メモリーの再生と、それを見ていた江本の回想だった。
証言を求められた江本は、「裁かれるべきは『愛』だ」と述べる。
(2008)
人助け-短編不条理劇集その1-
 暗い公園で、ボストンバッグを持ち込み、穴を掘ろうとする怪しい女。
そこへ、宗教団体のメンバーを名乗る男が現れ、「あなたの幸せのため」と助力を申し込む。
困惑する女。その訳は?
(2009年)
モニュメント-短編不条理劇集その2-
 駅のホーム。寝転んで動かない後輩を見つけたサラリーマン。
そこへ駅員がやってきて…
(2009年)
最後の一個-短編不条理劇集その3-
 顧客との待ち合わせの店を探していたサラリーマン。
彼に謎の男から渡された『最後の一個』のものとは?
(2009年)
無差別-短編不条理劇集その4-
 景色のいい公園のベンチで愛を語り合う2人。
そこに、男の「彼女」が登場。
修羅場になると思いきや…
(2009年)
IMITATION LOVE
 29歳の飯田橋ひとみは、結婚どころか彼氏もいない始末。妹の睦美にはバイト先で一緒になったイケメンをとられ、会社の先輩イケメン社員も振り向いてくれない。高校時代の同級生・千葉とはフィーリングは合うが、彼氏・彼女の関係ではない。
そんな時、趣味で発明家をしている父・英世が素晴らしい薬を作った。その薬を自分の好きな人に飲ませるだけで、相手も自分のことが好きになってしまうというものだ。
早速ひとみは試してみることにする。すると、効果はてきめん。ひとみは大もてになるが…
(2010年)
羅城の蜘蛛
 平安の昔、酒顛童子と名乗る首領に率いられた“土蜘蛛”と呼ばれる武装集団が、夜な夜な京の貴族の館に奇襲をかけていた。帝はこの土蜘蛛達を殲滅すべく、鬼討伐の院宣を発する。
討伐隊の隊長に任ぜられたのは、源頼光四天王の一人、渡辺綱。盟友である安倍晴明の知恵を借りて、偽の情報で土蜘蛛の一人、金熊童子こと鈴をおびき出し、捕まえることに成功する。しかし、鈴からは根城の場所を聞き出すことができず、綱はさらに鈴を使って別の仲間をおびき出す作戦に出る。
一方、鈴がいないことに気付いた土蜘蛛の副頭領の女流剣士・茨木童子こと桂は、危険を顧みずに単独で鈴の救出に向かう。それに気付いた酒顛が後を追う。
大勢の朝廷兵を相手に苦戦していた桂を助けた酒顛に、桂は、自分が囮になり、その隙に酒顛が鈴を救出することを提案する。桂の意思は硬く、鈴は酒顛が救い出したものの、結局桂は囮になって捕らえられる。
綱は詮議のために桂と話すが、家来に傷の手当てをさせるなど、人質とは思えない丁寧な扱いをする。そんな綱に、桂は徐々に心を開き、土蜘蛛の過去を語る。それによれば、彼等は朝廷を使って己の権勢を拡大しようとする時の権力者・藤原道長によって滅ぼされた武家の者達で、朝廷や道長への復讐を果たすために戦っているのだという。自分に託された鬼討伐の“正義の戦い”の根拠が根底から揺らぎ、綱は動揺する。
その頃、桂の奪還を狙う酒顛達は、かつては土蜘蛛討伐に加わりながら、今は酒顛の義兄弟となった藤原保輔を仲間に加え、保輔の懐刀の菖蒲を朝廷に潜入させる。そして、菖蒲の情報を元に夜襲を仕掛けるが、頼光達朝廷軍に待ち伏せされ、深手を負わされる。
実は、菖蒲の本名は朝霧。朝霧は酒顛に恨みを抱き、朝廷に内通していたのだ。そして、朝霧は頼光達に土蜘蛛の根城を教える。これを知らされた茨木は、根城での全面衝突を避けるために、綱と、綱と行動を共にする四天王の金時等と共に根城に向かい、朝廷と土蜘蛛の「和睦」を成立させようとするのだが…
(2012年)
Day Dream Believer~夢のまにまに~
 上司の失敗の責任を取らされ、会社を懲戒解雇された直也は、不眠症に悩まされる。誰にも自分の弱みを見せずに生きることを信条としていたため、婚約者の香奈恵にも本当のことが言えない。その香奈恵は、直也が自分に本当の姿を見せてくれていないのではと常々悩んでいた。
そんな時、直也は、たまたまネットで知り合った、悲しい過去を持つ大学生・このはから、海外で活動するテロ組織に自分と一緒に戦闘員として加わらないか、と誘われる。心が傾きかけた直也の夢の中に、1人の女が現れ、直也に本当の自分を受け入れるようにと言う。
直也はこのはを引き留め、2人で新しい暮らしを始め、香奈恵との関係を清算することを決意する。そんな直也を、このはは自分の夢の中に閉じ込め、本当に望む道に進もうとしながらも直也を求める香奈恵を排除して、2人だけの世界を作ろうとする。
が、そこに女が現れ、2人に意外な事実を告げる。
このはは自分の運命を受け入れ、直也は女の歌う旋律を聞きながら、安らかな眠りに落ちていく。
(2015年)
Retweet~夢から出た言葉(まこと)~
 派遣で働きながら小説家を目指す小夜子。仕事はパッとせず、小説も書けなくなり、スランプに陥っている。夜な夜なチェックするのは、昔の知り合いの舞のツイッター。舞は、小夜子の恋人だった芳樹と結婚していた。幸せな結婚生活をツイートする舞に、小夜子は嫉妬しながらも、気になってフォローをやめられない。
ある日、舞は以前貰った小夜子の書きかけの小説を見付ける。舞は、小説のラストシーンを書き加え、雑誌の賞に応募し、優秀賞を受賞する。舞は小説を芳樹に見せるが、芳樹はそれが小夜子の文体だと気付く。
いつものようにTwitterをやりながら眠ってしまった小夜子の夢枕に、見知らぬ女が立つ。女は、小夜子に書きかけの小説を思い出させる。
夢を自在に操り、現実を夢に取り込んでしまう能力を持った1人の女が、自分が好きな男を奪った若い女に復讐するため、2人の夢を乗っ取り、人生を取り替えてしまうというもの。その世界の中で、小夜子は舞と入れ替わり、芳樹と家庭を持ち、小説で賞を取る。舞は孤独の中でクスリに手を出し、破滅の道へ。
しかし、女は小夜子に、このままでは芳樹の人生も夢の中に閉じ込めたままの状態になると告げ、芳樹と小夜子を引きあわせる。小夜子は初めて自分の素直な思いを芳樹に伝えるが、芳樹から、小夜子への思いと、小夜子と別れなければならなかった事情を聞くと同時に、舞との間に子どもができたことを告げられ、芳樹との本当の別れを決意する。
そんな小夜子に、女は安らぎと癒やしの旋律を贈り、消えていく。
(2015年)
Glare~私の歌が聞こえますか~(2015年)
 自分の演技力に限界を感じて女優を辞めた詩音は、突然頭の中でバンドの音楽が聞こえるようになった。詩音の友人で音楽教師の天音にも、同じバンドの音楽が聞こえていた。2人とも聞いたことのある声のように感じていたが、どうしても思い出せない。その音楽は、2人の過去の苦い記憶を呼び覚ます。
大学を辞めて女優の道を目指そうとしている彩乃は、友人の夢生菜の従兄弟の聡が代表の「虹の歌劇団」という劇団を勧められ、オーディションを受けることにする。そこは、かつて詩音が看板女優として所属していた劇団で、小劇場界で絶大な人気を誇った女優・如月マヤが一度客演していた。聡の作品に惚れ込んだ彩乃は、オーディションを受けて入団を決める。
聡は、詩音が辞めるきっかけになった作品を再演し、そこに詩音を主演で出演させようとしていた。初演の時、主役はマヤが演じ、相手役だった詩音はそこで自信を失ってしまったのだった。詩音の復帰を願う聡の思いを知り、彩乃は詩音の相手役を自分にやらせて欲しいと聡に言う。その時、聡の頭の中にもバンドの力強い演奏が流れる。
ピアノ弾き語りのアーティストの鈴音は、曲が作れなくなり、ポッドキャストの番組をやっているが、やはりバンドの音楽を頭の中で聞いていた。鈴音の番組の熱心なリスナーで、番組宛にメールを出している夢生菜は、彩乃と会った後、自分の中で忘れていた詩作の心を思い出し、思い浮かんだ詩を鈴音に送ると、鈴音の頭の中にその詩に乗せた音楽が蘇る。
その鈴音の番組に、「マヤ」という名前でメールが届く。癌で入院中の彼女は、もう一度舞台に立つこと、バンドを組んで歌うことが夢で、そこに生き別れた腹違いの姉を招待したい、と書いていた。
夢生菜と会ってその話をした鈴音は、それがかつて鈴音が楽曲を提供した「虹の歌劇団」の舞台で客演した如月マヤではないかと思い当たり、夢生菜とともに聡に会いに行く。
2人からその話を聞いた聡は、如月マヤの腹違いの姉とは、詩音のことだと確信する。そして、詩音にそのことを伝え、マヤのためにももう一度劇団に戻って舞台に立って欲しいと説得する。
詩音は、頭の中で聞こえたバンドの歌声はマヤのものだと気付き、舞台への復帰を決める。同じ舞台で彩乃は主役を狙おうと決意する。鈴音や天音、夢生菜も集まる。
マヤの歌声によって結集した人達とともに、聡の「虹の歌劇団」は新たな舞台に向けて動き出す。
True Love -episode 0-

 人工知能研究の第一人者・鮎川哲郎は、偶然行ったライブで、シンガーソングライター・篠原麗の曲と歌声に惹かれ、麗と交流を始める。麗も、自分の音楽世界を理解し、受け入れてくれる哲郎に、徐々に心を開いていく。
同じ頃、哲郎が所属する国立人造人間研究所のプロジェクトに、プログラマーの八神愛理が別の会社から派遣されてくる。仕事でミスをしてしまった愛理に、哲郎は優しい言葉をかける。それがきっかけで、愛理は哲郎を意識し、惹かれていく。
麗は婚約が破談になり、落ち込んでいたが、哲郎の言葉に励まされ、新しい曲を作り、哲郎に聞かせようとする。哲郎は、自分の気持ちを麗に伝えようと決意するが、その直前に、麗は事故死する。愛理は哲郎を映画や食事に誘うが、結局自分の気持ちは告げられないまま、仕事の終了で研究所を去る。
そして、哲郎は、麗の存在を人工知能の力で再現しようと研究・開発を重ね、ついに、麗そっくりの護身用アンドロイド「i」を完成させる。

UTOPIA~月は無限の色に輝く~

 ブライダルコーディネーターの七海は、仕事にやり甲斐を感じつつも、どこか虚しさも覚えていた。 転勤が決まったことを巡って恋人とすれ違い、別れてしまう。 それから2年後、仕事帰りのクリスマスの街で、七海は見知らぬ女と出会う。女は七海が趣味で作っているクラフトアートが好きで、是非それで本を出して欲しいという。だが、七海は自分の作品を公表したことはなかった。 一体女は何者なのか…?

Fairy Melody~私はピアノ~

 会社員の明日香は、祖母の八重の意識が戻らないのを心配している。明日香の従姉妹のさくらは、地元の戦争の歴史を調べている時、疎ましく思っている父親から、亡くなった祖父の兄(幸作)が戦時中に書いた日記を渡される。
幸作の友人の春樹は八重の許嫁だった。幸作の妹の花江と共に4人で仲良く過ごしていたが、春樹と幸作の出征でその日常は失われた。
そしてある日、明日香の前に春樹の霊が現れ、八重に伝えたいことがあって戻ってきたと告げ、今は閉校になった春樹と明日香が卒業した小学校に一緒に行ってくれと言う。

Singularity Crash~〈わたし〉に続く果てしない物語~
2050年。人工知能の能力がついに人間のそれを超えて5年あまり。人工知能を搭載したアンドロイドが社会の実権を握り、人間の脳とマイクロチップを融合させた「新しい脳」を持つ「セミ-アンドロイド」が作り出された。純粋な人間は改造されてセミ-アンドロイドになるか、一生人工知能の補助的な役割を担うかの選択を迫られる。そして、アンドロイドが支配する世界政府は、セミ-アンドロイドを含めた全ての「脳」を直接ネットワークに接続する「グローバル・ブレイン」を構築した。
「グローバル・ブレイン」に接続されたセミ-アンドロイドのヨーコは、ネットワーク内で「嘆き」の信号をキャッチする。その発信源と思われる1人の人間の女・月渚を、彼女は同じセミ-アンドロイドで恋人のタケシや仲間と共に探し出そうとする。しかし、月渚の脳内の人格と記憶のデータはネットワークを通してヨーコに「移植」され、ヨーコ達はアンドロイドのサイバー特別警察に追われる身になってしまう。月渚の「記憶」の世界では、彼女は2016年の高校の演劇部の部長で、部員達と一緒に「〈わたし〉に続く果てしない物語(ストーリー)」という芝居を作っていた。その内容はヨーコ達が生きている時代をそのまま描いていた。この芝居は「予言」なのか?その中に含まれている最重要の「機密情報」とは?そしてヨーコ達の運命は?